柳津あおやま眼科クリニック
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当院からのお知らせ

近視予防

更新日:2017年07月09日
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日本眼科学会から定期的に送られてくる雑誌の最新号に興味深い臨床研究が載っています。

”東京都小笠原村における裸眼視力の変化”という論文です。

ご存じのように小笠原村は東京都に属していますが、本土からは南南東に約千キロ、フェリーで25時間以上かかる場所にある、小笠原諸島に位置しています。

本土からは離れているために、テレビの地上波放送が始まったのが1996年で、バブルがはじけた後になります。

それ以前は、テレビを見ることが困難な状態でした。

家庭にテレビ放送が導入される1996年以前と、それ以降の子供の近視進行の違いを調べた論文になります。

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上記の写真は、東京都の1991年から2012年までの学童(小中学生)の近視(視力1.0未満)の割合の推移。

なだらかに、近視人口はこの20年間で40%から60%に増加しています(同論文より)。

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上記の写真が小笠原村での近視の推移。

途中まで(1996年まで)と、それ以降では、近視の割合が有意に増加しています。

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小さな写真でわかりにくいですが、視力0.7未満の中学1年生は1996年以前はゼロだったものが、地上波テレビ放送開始の1996年以降は26.6%に増えています。

統計データ上は、テレビを日常的に見ることができる環境になってからは、明らかに近視の割合が増えているわけで、よく言われる”テレビの見過ぎは目に良くない”というのはあながち間違いではないと思われます。

特に最近ではテレビよりも画面の小さなスマホに見る対象がシフトしているので、今後、スマホ普及以前と以降で近視の推移を見ていくと差が出てくるかもしれません。

近視の進行はテレビなど近くを見る機会が多いほど多くなり、逆に、外で遊ぶ時間が多い子供ほど、近視の進行が少ないことが分かっています。

では、テレビの見過ぎなどを気をつけていても近視が進む場合はどうしたらよいかというと、現時点で最も効果的かつ簡便なのが、点眼薬の治療、そして、オルソケラトロジーレンズ(ナイトコンタクトレンズ)などの専用の矯正手段です。

点眼薬での近視治療は日本でも現在、京都府立医大などで、臨床研究が行われていますが、副作用が少ないこと、比較的簡単に始められること、他の様々な近視予防治療の中では最も効果が期待できることから、今後、数年のうちに大きく普及する可能性がある治療方法です(すでに全国各地の眼科クリニックで処方は始まっているようです)。

柳津あおやま眼科クリニックでも様々なアプローチで近視予防に取り組んでいます(眼鏡の処方でも実はどれくらいの度数で合わせると近視が進みにくい、もしくは進みやすい、ということが分かっています)。

近視が予防できれば、将来、近視によって起こりやすい緑内障や網膜の病気になるリスクも減らせるはずなので、子供のうちから近視が進まないようにすることはとても大事なことです。

進んでしまった近視をもどすことは困難なので(最近では手術もありますが・・・)、お子さんの視力低下が気になる方は、放置せず、どうぞご相談ください。