柳津あおやま眼科クリニック
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当院からのお知らせ

ICL user`s meeting@Tokyo

更新日:2019年06月08日

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東京で行われたICLのミーティングに参加してきました。

ICLは眼内コンタクトレンズとも言われ、強度近視のみならず、様々な近視度数の治療が可能で日本国内でも症例数が大きく増えています。

今回はICLのエクスパートの先生方を中心に十数名が参加、レンズの選定や難症例の検討など、内容の濃いミーティングでした。

備忘録など。

・水晶体とICLの距離が1.5CT(corneal thickness)以上をhigh vault、0.5CT以下をlow vault。low vaultだと水晶体とICLの接触などで白内障が生じるリスクがあると言われていますが、現在のhole付きのICLになってからはlow vaultでも白内障の報告は無し。房水の循環がとても重要。

・high vault、レンズを垂直方向に回旋させる(毛様溝は水平より垂直方向が0.5ミリ長い)。

・high vaultの原因、レンズのサイズが大きい、毛様体の嚢胞、毛様溝外固定、ICLのholeを粘弾性物質が閉塞。

・術後回旋してしまう症例ではレンズのサイズを1サイズアップして交換もあり。

・日本国内で使用されているICLのサイズ、12.6が55%で最多、13.2が30%、サイズは小さいものを選択するようになってきている。

・多焦点のICLの治験がフィリピンで行われ、今年から来年くらいにヨーロッパで販売?EDOFの原理を使っている。角膜内レンズのrain dropを作っていた工場で生産。

・ICL挿入時に引っかかった場合には、幅広タイプのセッシで摘出。2本のセッシを使いながら引き抜くとよい。

・挿入したレンズを抜去する際にはレンズの足の部分をパックマンセッシ等で把持して出す。

・IA時に前房からのleakを減らすために、スリーブを3ミリにするだけでも有効。ボトル高さ(IOP)も高くする。

・広範なデスメ膜剥離が起きた場合には、前房内にエアーを入れて当該部位を上にして安静。