柳津あおやま眼科クリニック
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当院からのお知らせ

円錐角膜の白内障手術

更新日:2017年06月23日

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角膜に歪みが生じて強い近視や乱視が生じる疾患に円錐角膜という病気があります。

上の写真、角膜のゆがみを色で表しているのですが、両眼ともに角膜中央よりも下方に大きな突出を認めます。

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そのためなどもあって、両眼とも−10ディオプターを超える最強度の近視、それから、右眼は−3.75ディオプターの乱視、左眼は−6.87ディオプターのいずれも強い乱視。

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裸眼の視力は右眼0.03、左眼0.02で、白内障もあるので、矯正視力も0.5〜0.6まで低下しています。

白内障手術では眼内レンズの度数計算を目のデータから計算して行うのですが、円錐角膜ではその際に多少の工夫が必要です。

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乱視も強いので、乱視矯正眼内レンズ(トーリック眼内レンズ)の使用も検討したのですが、波面収差で球面収差が良好であることから、トーリックを使わずに手術することにしました。

度数的に、使用したい眼内レンズでは規格が限界があったので、Piggyback法といって、2枚の眼内レンズを重ねて挿入する方法で手術をおこないました。

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結果として、右眼-13.0、左眼−15.87ディオプターあった等価球面度数はゼロになりました。

通常の白内障手術であれば、度数ズレがおこったとしてもあとでレーシック等、レーザーでの近視や遠視、乱視など残余屈折異常の補正ができるのですが、円錐角膜はそれができません。

どうしてもずれてしまった場合にはさらに眼内レンズを嚢外もしくは前房型で追加挿入しての手術も考えていたのですが、今回は大丈夫そうです。

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裸眼視力は手術前の矯正視力以上に向上、とても喜んでいただけました。

近くも見やすいように手術をしたので、これから、徐々に近見視力も出てくると思われます。

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今日は白内障手術、レーシック、ラゼックの8件、他、網膜のレーザー治療など。

白内障手術は全例、LenSxでのレーザー白内障手術で多焦点眼内レンズを使用しました。

手術は幸い、全例無事終了。

明日の外来と手術、安全第一で頑張ります。