多焦点眼内レンズを使用した過熟白内障手術

本日の白内障手術はたまたまでしたが、全症例、多焦点眼内レンズを使用した手術でした。
レーシック術後の白内障手術などもありましたが、この場合は眼内レンズの度数計算と、その後の屈折誤差があればレーシックでのタッチアップなので、手術の手技的な難易度は通常の白内障手術と変わりはありません。
白内障手術でもとくに難易度が高くなるのが、かなり進行した過熟白内障です。
今回は年齢も10歳台前半と若年で、本来であれば全身麻酔で行うことが無難なのですが、全身麻酔での手術が可能な総合病院では多焦点眼内レンズの取り扱いはほとんどありませんし、より安全に行うための白内障手術用のレーザーもありません。
ご家族や看護スタッフの協力と様々な鎮静手段を用いて、術中の体動は最小限で安全に手術を行うことができました。
乱視も4ディオプター以上ありましたから、乱視が矯正できる多焦点眼内レンズをしかるべき位置に無事に挿入できました(乱視用レンズが挿入できない場合の多焦点眼内レンズ、嚢外固定用の多焦点眼内レンズ、強膜内固固定用の多焦点眼内レンズなど、さまざまなパターンを想定して準備していましたが、想定できる最善のレンズの挿入ができました)。
若年齢で単焦点ですと、遠くに合わせた場合には近くは見えなくなり、いきなり老眼になってしまいます。
今回のような難症例の手術もほぼ毎週、比較的頻繁に行っていますのでお困りの方はご相談ください。