眼内レンズ摘出+多焦点眼内レンズ強膜内固定 | 柳津あおやま眼科クリニック

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眼内レンズ摘出+多焦点眼内レンズ強膜内固定

更新日:2024年04月16日

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今日は白内障手術の他、ICL手術4件、それから眼内レンズ亜脱臼のレンズ摘出、硝子体切除、強膜内固定手術2件など。

もともとは強膜内固定手術は1件でしたが、先週末に初診の方が上記の写真の状態、いつはずれてもおかしくない状態だったので、週明け月曜日の本日、急遽追加に。

水晶体は水晶体嚢(すいしょうたいのう)という袋に包まれており、通常の白内障手術では袋の前の部分を丸くカットし、袋の中の混濁した水晶体を除去してあいた袋の中に眼内レンズを挿入します。

レンズ自体は生涯、もつので交換の必要はないのですが、数は少ないながら、老化や外傷などによって水晶体嚢を支えているチン小帯という柱が弱くなって、水晶体嚢ごとはずれてしまう場合があります。

そうした場合には袋そのものはもう使えなくなりますから、レンズを何らかの方法で眼球内に固定する必要があります。

以前は糸を使って白目の壁(強膜)に縫い付ける方法が主流でしたが、これも経年変化で糸が劣化してまたずれてしまうケースがあるため、最近では眼内レンズの一部を直接、強膜に埋め込む強膜内固定という方法がとらてています。

今回も2件とも、その方法で行いました。

1例は単焦点眼内レンズ、もう1例は多焦点眼内レンズでした。

水晶体嚢を使用する場合には袋の中でのレンズの位置調整ですむので、大きなずれは生じにくいのですが、袋が利用できない場合にはその位置の調整がとても難しくなります。

特に多焦点眼内レンズの場合にはレンズの中心が瞳孔の中心に近い位置に来る必要があり、ベリオンに代表される手術ガイドシステムが有用です。

また、現状では強膜内固定に使用できる多焦点眼内レンズは乱視の矯正ができないため、乱視が元々強い方は乱視が残ってしまうため、裸眼での視力回復を目指す場合には何らかの手段で乱視を矯正する必要があります。

エキシマレーザーがあればレーシック治療で残った乱視や遠視、近視の矯正もできますし、場合によってはフェムトセカンドレーザーを使用した角膜切開による乱視矯正も可能ですがそれらの機器を維持するのはとても大変なので、対応できる施設は限られてきます(岐阜県内では当院のみとなります)。

単焦点眼内レンズを使用した強膜内固定ができる施設もさほど多いわけではないかもしれませんが、多焦点眼内レンズを使用した強膜内固定に対応できる施設はとても限られます。

様々な事情で通常の嚢内固定での白内障手術ができないものの、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を受けたいという方は必ずいらっしゃるのはずなのですが、それができる、という情報が必要な方に届いていないことがもどかしくはあります。